HERALBONY「馬ロゴ」誕生物語 新しい旅のはじまりに、ファンの皆さまにお伝えしたいこと

HERALBONYの象徴として、5年間一緒に歩み続けてくれたロゴマーク。

この度私たちは、障害のイメージを変えるため、そこにある当たり前を塗り替えるため、ロゴマークを一新することにしました。

HERALBONYの新たな旅路が始まります。

今日このとき、これまで私たちを支え、思いを共にしてくださったファンの皆さまと共に、私たちが愛したこのロゴの誕生物語を、HERALBONYのこれまでの歩みと共に振り返ります。

「HERAL"PONY"」?

松田 崇弥・文登の4歳上の兄、翔太さんの小学校時代の自由帳に、頻繁に登場していた謎の言葉、「ヘラルボニー」。

「どういう意味?」と幾度となく訪ねても、翔太さんがその答えを教えてくれる日はなかなか訪れませんでした。そして検索しても出てこない謎の言葉「ヘラルボニー」に、崇弥が意味を与えたいと願ったとき、この言葉は私たちの社名となり、世の中に誕生したのです。

しかし2019年、事態は一変します。

誰もが諦めかけていた矢先、翔太さんの口から思いもよらぬ言葉が発せられました。再びその意味を尋ねてみるとーー。「馬!」という言葉が飛び出したのです。

それ以降、少しの間ではありましたが、翔太さんはヘラルボニーのことを「馬」である、と周囲に伝えるようになり、ロゴも「馬」をモチーフにデザインされることになりました。

デザインを担当してくださったのは、Paper Paradeさん。自由帳に伸びやかに描かれた線のイメージからインスピレーションを得た抽象的な線で、馬の横顔がデザインされています。

HERALBONYの社名には「⼀⾒意味がないと思われるものを、世の中に新しい価値として創出していきたい」という意味が込められています。

オリジナルHERALBONYフォントのひみつ

ロゴマークだけでなく、ロゴタイプ(文字のフォント)にも、物語があります。こちらは、翔太さんが日々綴っていた、日記帳の1ページ。

枠の中いっぱいに広がり、今にも動き出しそうな、独特な筆跡。隣り合う文字たちがお互いに繋がっているような、この筆跡のフォルムをベースに設計されたのが、オリジナルのHERALBONYフォントです。

HERALBONYフォントで作られた、さまざまなロゴ

いつもロゴの側にあったHERALBONY BLUE

ロゴやプロダクトパッケージのカラーは、自閉症・発達障害啓発のシンボルカラーであり、癒し、希望を意味する「ブルー」。色だけでなくパッケージの素材にもこだわり、アートライフブランド「HERALBONY」を世の中に伝えてきました。

そのパッケージが、2023年、イタリア・ミラノで行われている世界最大級の国際デザインコンペティション「A' Design Award & Competition 2022-2023」(※)を受賞。それを記念して、2023年6月、岩手のHERALBONY GALLARYにて「HERALBONY BLUE 展」を開催しました。


※「A' Design Award & Competition 2022-2023」とは
 イタリア・ミラノで行われた世界最大級の国際デザインコンペティション「A’ Design Award & Competition 2023」(エーダッシュデザインアワード&コンペティション2023)にて、ヘラルボニーのパッケージングは、ブランドコンセプトに基づいた一貫した世界観が評価され、パッケージングデザイン賞部門でシルバーデザイン賞を受賞。(詳細はこちら
HEALBONY BLUE展の様子@岩手HERALBONY GALLARYブランドカラーと連動して、パッケージデザインに使う素材は、日本の9000種類以上もある紙の中から、ブルーの色合いと高級感のある質感を兼ね備えた《ビオトープGA-FSマゼランブルー》を選定。

この紙由来のブルーのカラーが、「HERALBONY BLUE」となりました。
翔太さんの日記帳の実物も展示された

“PONY”ロゴはポップアップと共にあり

この5年間には、ヘラルボニーとして数えきれないほどの挑戦がありました。その中でも、お客様やファンの皆さまと直接触れ合うことができるポップアップ出店は、私たちにとって大変貴重で、特別な機会です。はじめての地方出店、はじめてのアート展覧会、はじめての百貨店ポップアップーー。それらすべてを共にしたのがこの“PONY”ロゴとHERALBONY BLUEです。

ファンの皆さまと共に歩んできたこれまでの道のりを、ロゴが印象的だった過去のポップアップ出店の写真と共に少しだけ振り返ってみましょう。

2020年9月、渋谷スクランブルスクエアに初出店を果たしたときも、当時のキービジュアルには、HERALBONYロゴが大きく起用されていました。
同じく9月、名古屋に初出店した際には、入り口で鮮やかなHERALBONY BLUEと“PONY”ロゴがお客様をお出迎えし、一段と存在感を放っていました。
名古屋にちなんだシャチホコのロゴも登場。展覧会等の案内板は、“PONY”ロゴマークのモチーフから生まれたもの
2021年3月、異彩作家・工藤みどりの「青」を起用したキービジュアルを掲げ、ダイバーシティ東京にてポップアップストアを出店。
2021年10月から2022年3月にかけては、BAG-Brillia Art Gallery-にて、「ゼロからはじまる」展・「異彩のみらい」展を開催。これまでアパレルを中心に展開していたアートライフブランド「HERALBONY」が、対象を「人」から「空間」へと拡張し、ライフスタイルにも参入していくことを宣言しました。
2022年7月、4周年記念展覧会「The Colours!」開催。13名の作家のアート作品が展示され、異彩アートのパワーを直接感じてもらえる機会となりました。
2023年3月、また新たなキービジュアルと共に新宿高島屋など東京・大阪・岩手の3エリアにてポップアップを開催しました。
同年7月、日本橋三越にて、「異彩の百貨店」を開催。日本を代表する大型百貨店にて、作家のライブペイントや、原画の販売も行いました。
そして昨年末から今年2024年1月は、六本木ヒルズにて「心に残る、アートを贈る ART IN HEART」をコンセプトに、ギフト商品にスポットを当てたポップアップを開催。クリスマスシーズンには、異彩アートをまとったギフト商品や原画作品が多く旅立っていきました。

歴史の1ページをあなたと。新たな旅のはじまり。

そして、2024年4月23日の今日。

私たちは、これまで共にしてきたシンボルマークとお別れし、全世界に向けて新たな旅路をスタートさせます。

ひとつだけ、ファンの皆さまにお伝えしたいことがあります。

私たちは、次のステージに進みますが、「手の届かない遠いところに行ってしまった」そんなふうに感じてほしくないということです。

大事なものを手放す寂しさを、私たちは知っています。それでも変わることを選んだのは、私たちが媒介となって、「異彩」への圧倒的な憧れと尊敬を生み出す必要があるから。

そしてこの世界で、ひとつでも多くの異彩が花開き、「障害」という言葉のもつネガティブなイメージが払拭されることを、心から願っているからです。

これからも、私たちと歩み続けてほしい。
時には一緒に、この世界を隔てる先入観や常識、理不尽な社会と戦ってほしい。
共に「異彩」の可能性に、心を弾ませてほしいーー。

「福祉実験カンパニー」から、100年先も続く「文化企業」へ。

私たちHERALBONYは、100年先も続く文化企業となっていくために、これからも誠実謙虚、皆さまに喜んでいただける質の高い製品やサービスを提供していくこと、そして驚きと感動を与えられる存在であれるよう、努めていくことをお約束します。

今日のこの日を、大切な歴史のはじまりの1ページとして。
HERALBONYの新たな旅路を、ぜひ応援していただけたら嬉しいです。

旅立ちを、あなたと。 Last PONY Presentation


私たちの「はじまり」であるこの”PONY”ロゴの商品を、最後の1点まで大切にお届けしたい。そんな思いから「The Last PONY Presentation」を本日より開始いたします。

これまでヘラルボニーを支え、思いを共にしてくださった皆様への感謝の気持ちを込めて、本日4月23日(火)から、オンラインストア会員様限定で、HERALBONYの旧ロゴ(馬をモチーフにしたもの)のついた商品を最大50%引きでご購入いただけます。

旧ロゴのついた商品は再生産をしておりませんので、完売次第、終了となります。私たちが愛してきた旧ロゴ商品を、最後の1点まで大切に皆さまにお届けいたします。

期間:2024年4月23日(火)より開始(※本キャンペーンは予告なしに終了する可能性がございます)

「The Last PONY Presentation」特設サイトはこちら
文:北村 茉里映(ヘラルボニー)
編集:海野 優子(ヘラルボニー)